オープニングやメインビジュアルで寅子がきている服が気になっていました。
最初は上半身のメインビジュアルしか見ていたかったので襟の形からチャイナドレスかと思っていましたが、引いてみたらガウンでした。「あ〜裁判官が着ているアレね」と見ただけで納得しましたがあのガウンは法服っていうんですね。知りませんでした。
そう言えばドラマで見ている裁判官はみんな黒いガウンを着ていますね。
法服を着るのにはどういう意味があるのでしょうか?また寅子が着ている法服のデザインって本当に使われていたものでしょうか?
この記事では
裁判官がガウンを着ている理由は?
刺繍の柄に注目、職種によって違う?
キービジュアルで寅子が着ている法服のデザインは弁護士用のアレンジ
についてまとめています。
裁判官がガウンを着ている理由は?
さて、寅子が着ているガウンは法服(ほうふく)と言います。
ドラマで法廷でのシーンでは裁判官が黒いガウンを着ているのを見たことがある人も多いのでは?
あれは裁判官の制服。書記官も法廷で着用しています。法服は自分のものではなく借りているものでいつもはロッカーにしまっておいて法廷に出る時だけ着用します。
素材は裁判官はシルク。書記官は綿でできているそうです。
では何故法廷では法服を着るのでしょうか?
法服の歴史
法服は1890年に着用が義務付けられるようになりました。
明治初期の法廷では裁判官、検事、弁護士などの服装がまちまちで「秩序がなく、みっともない」と言われていました。
明治政府の初代司法大臣がヨーロッパ諸国で使われてきたガウン型の法服を真似て日本でも着用することが決まりました。
戦後に法律が改正されたときには法服の規定がなく、一時的に法服と着るものと着ないものが混在した時期がありましたが1949年(昭和24年)に「裁判官の制服に関する規則」ができて法服の着用が定められました。
法服を着用する意味は?
報復を着ることによって裁判官の立場を自覚させる
公正さと人を裁く者の職責の厳しさをあらわす
という意味合いが込められています。
色は何故黒なのか?
◆何色にも染まらないから
黒は何色にも染まらない、ということから中立性を表しているという説
◆色々な色を混ぜ合わせると黒になるから
被害者・加害者・目撃者と色々な人の意見を差別なく聞き入れるという意味で黒になった説
という説があると言われています。
取り入れたヨーロッパの法服も黒でしたからそれに倣っただけなのかもしれませんね。
刺繍の柄に注目、職種によって違う?
寅子のモデルである猪爪寅子さんのモデル三淵嘉子さん。。
日本初の女性弁護士でのちに裁判官となっています。
オープニングやメインビジュアルでは白い糸で襟元から胸にかけて白い刺繍が入っています。
これは昭和初期の弁護士の法服のデザインを模しています。
そう昭和初期には弁護士も法服を着用していたのです。
あの刺繍は唐草模様で裁判官は色と桐の花の数で職や裁判所の等級を区別していました。
裁判所の等級と桐の花の数
大審院:7個
控訴院:5個
地方裁判所:3個
区裁判所:3個
ちなみに刺繍の色は
判事:紫
検事:緋色
書記:深緑
弁護士:白
当時は帽子も着用していました。
キービジュアルで寅子の着ている法服のデザインは弁護士用のアレンジ
メインビジュアルで寅子の着ている法服の刺繍は白。刺繍の量が実際の昭和初期の法服より断然に多いですよね。
可愛いくておしゃれ。
いよいよ本日より
— 伊藤沙莉 (@SaiRi_iTo) March 31, 2024
連続テレビ小説「虎に翼」が
スタート致します。
昨年9月末から始まった撮影も
折り返しになりました。
全てがあっという間ですが
チーム楽しく過ごした時間の中で
紡いできた大切な一つ一つを
皆様にお届けできること
本当に幸せに思います。
是非楽しんでください!#虎に翼 pic.twitter.com/9aHmD7sy5c
よく見ると、
おにぎり、台所に立つ母、傘、自動車、カバン、あんみつ、帽子、虎など、日常の細々としたアイテムが刺繍されています。
このイラストは家庭を感じされるもの、寅子の人生や出来事連想されるアイテムなのだとか。
メインビジュアルデザインを手掛けたのはグラフィックデザイナーの三宅瑠人さんと岡崎由佳さん。
ロゴもお二人の作品です。
三宅瑠人さんプロフィール
名前:三宅瑠人(みやけりゅうと)
生年月日:1988年
出身:東京都
職業:グラフィックデザイナー、イラストレーター
1988年東京生まれ。
グラフィックデザイナー、イラストレーター。
両親がデザイン関係の仕事をしていたことでデザインい興味をもち、東京藝術大学へ進学。
奥様はグラフィックデザイナー
在学中よりイラストレーターとしての活動を始める。雑誌、広告、ファッションブランドなどにイラストを提供するほか、デザイナーとしてもレコードレーベルや飲食店、フライヤー等のグラフィックを手がける。
野村友里さんによる『とびきりおいしい おうちごはん』(小学館)のイラストとデザインは夫婦で担当しています。
岡崎由佳さんプロフィール
名前:おかざきゆか
生年月日:ー
出身:ー
職業:グラフィックデザイナー、アートディレクター
2012年武蔵野美術大学大学院修了
2012年4月 – 2022年8月 日本デザインセンターでグラフィックデザイナー、アートディレクターツィて展覧会のデザインや運営、ブランディング等を担当。
2022年 フリーランスとして活動開始
おうちごはんのブックデザインは岡崎由佳さんなのでお二人はご夫婦なのだと思われます。
旦那様と奥様で一つの作品を作る、なんて素敵なんでしょう。
お互いの実力を信頼し、認め合っていないとなかなか難しいことだと思います。
まとめ
寅子が着ているガウンのようはものは法服と言って裁判官や検事が着用する制服でした。
法服を着用するのは制服だからですが、それを着ることによって法律家としての自覚を促すためです。
昭和初期までは襟から胸にかけての刺繍は職種によって色が変わり、裁判所の位によって刺繍の中の桐の花の数が違っていました。
弁護士の法服の刺繍は白で唐草模様のみです。
寅子が着ている法服は弁護士様のものだけど詩集のデザインはオリジナルで寅子の人生に関わるアイテムや家庭を連想させるものが入っています。