柔道男子60kgの準決勝で永山竜樹対フランシスコ・ガリゴス戦で誤審があったと話題になっていますね。
問題になったのはガリコスに永山選手が寝技をかけられている時、審判が「待て」をかけたのにガリコス選手は寝技をかけ続け、永山選手は落ちてしまいました。
それで一本負けとなり会場は大ブーイングとなりました。
審判が「待て」と言ったのにガリゴス選手に勝ちという判断を下したこの審判、マリア・ゴンザレスとはどんな人物なのでしょうか?
そして柔道ではなぜ誤審が起きるのか
をまとめました。
誤審した審判はエリザベス・ゴンザレス
エリザベス・ゴンザレス
国: メキシコ | 生年月日: 1987年4月21日 (37歳)メキシコのIJF審判員エリザベス・ゴンザレス・オロスコは、2022年からIJFワールドツアーイベントを審判しており、ポルトガルのグランプリでデビューしました。彼女は2022年にグアヤキルで開催されたジュニア世界選手権で審判を務めたほか、他の多くの柔道トーナメントでも審判を務めました。ベスは2023年の世界選手権や、パリで開催されたIJFマスターズや2023グランドスラムなどの主要なイベントで審判を務めました。オリンピックの柔道審判員の中で最年少です。
柔道インサイド.comより
オリンピックの柔道の審判員は16人。メキシコ人で女性では初の審判員となりました。
エリザベスゴンザレスさんは元柔道選手
今回のような誤審をするような審判ですし、柔道の審判員の中で最年少というデータがあったのでキャリアがないのかな?と思っていたのですが、なんと彼女の審判としてのキャリアは18年ということがわかりました。
エリザベス・ゴンザレスは元柔道選手でした。
中学時代に柔道をはじめ、大学生(23歳)まで競技を続けています。
審判を始めたのは18歳の時、審判としてのギャリアは18年もあるのです。
博士号を持つ才女
エリザベス・ゴンザレスはメキシコの公立大学グアダラハラ大学で心理学を学び、さらに同じくメキシコのチワワ大学で2つの修士号と博士号と取得しています。
とても学習意欲が高く頭の良い女性のようですね。
2028年のロサンゼルスオリンピックを目指して
女性として審判員として活動することは困難が多かったようです。
国際柔道連盟は性別ではなく、審判員の能力を重要視し判断してくれることが重要と彼女は語っています。
つまり審判員の実力を認められて審判員になれた、という事ですよね。
なのに今回の判断には疑問が残ります。
そして2028年のロサンゼルスオリンピックを目指して引き続き活動を続けるつもりでいるようです。
誤審を認め、順位が変わることはある?
残念ながら今まで一度出した判断が覆されたことはありません。
実際永山選手は負けの判断は覆されず敗者復活戦に回されています。
シドニーオリンピックでは、世界王者(当時)ドゥイエと篠原選手の決勝戦で審判の判断により篠原選手が負けとなり金メダルを逃した「世紀の誤審」と呼ばれる大問題が起きました。
この時監督だった山下泰裕監督と斉藤仁コーチが猛抗議しましたが、判断は変わることなく篠原選手は銀メダルに甘んじました。
後に全日本柔道連盟が抗議文を国際柔道連盟(IJF)に送りました。
国際柔道連盟(IJF)は「両者とも技は完全ではなかった」と認め、ドゥイエ有効の判定を誤審と認めたのです。
でも、メダルの色は変わることはなかったのですね。
誤審は認められてもその試合が無効になることは無いんですね。
なぜ度々柔道では誤審が起きるのか?
度重なるルール変更に審判が追いついていない
武道としての柔道がスポーツJUDOになった時にルール変更がありましたが、その後何度かルールーは変更されています。それに対応できている審判もいるこいうことが原因だと思われます。
柔道の勝ち負けの判断は難しい
柔道に似たスポーツに相撲があります。相撲は先に土がついた、先に土俵からはみでた、という判断基準があります。これは観客にもとてもわかりやすいですよね。
でも柔道はどちらの体が死んでいるかというのが重要なんだそう。
素人にはわからない判断基準ですよね。
全日本柔道選手権で主審を務めてきた正木照夫さんはnewsポストセブンの記事で
柔道の場合は“どちらの体が死んでいるか”が重要で、判定の難しさでもある。百戦錬磨の選手でないと、“相手に投げられたか、技を返したのか”という違いがわからない。
と言っています。
審判員のレベルが必ずしも同じではない
柔道の審判は元トップ選手が務めることが多いです。でもオリンピックは公平を期するために出場選手とは別の国の審判が務めることになっています。
そのために各大陸から審判員を選ぶのですが、国によって選手として世界レベルで戦ったことのない審判が選ばれてしまうことがあります。そうした場合、技の掛け合いや高度な駆け引きなどに目が慣れていないため誤審が起きてしまうのです。
残念ながらエリザベス・ゴンザレス審判の出身のメキシコは今までメダルを獲得した選手がいません。
決して柔道レベルの高い国とは言えないし、彼女自身も世界レベルの選手ではなかったと思われます。
なので今回の誤審は起こるべきして起こったことなのかもしれません。