佐々木朗希選手がプロ野球選手会を脱退していたことがニュースなりましたね。
どうやら大リーグに行きたい佐々木選手と行かせたくないロッテと揉めているようですね。
そんな佐々木選手が脱退したというプロ野球選手会とは?入っているメリット、デメリットについて調べてみました。
日本プロ野球選手会って何?
日本プロ野球選手会は1985年(昭和60年)11月19日に発足し、選手と雇用者である球団との待遇改善交渉などを行う労働組合です。
球団との労働条件の交渉などを主に仕事とする労働組合日本プロ野球選手会と野球全体の発展を目的とし、社会活動を主に行う一般社団法人日本プロ野球選手会の二つがありますが、実質的には同じものです。
設立された目的は球団による“搾取”から脱却し、選手たちの権利を獲得するためと言われています。選手会の設立前にはプロ野球選手会の事務局という組織がありました。それを労働組合にする話が持ち上がった矢先、ロッテの捕手、高橋博士選手が、契約更新の話し合いがもつれて球団側に一方的に解雇通告を出されてしまいます。事務局は高橋選手の不当解雇撤退の支援活動を始め、再契約を取り付けることに成功しました。
それによって組合の必要性が高まり、規約づくりや選手の勧誘などを初め、1984年に日本初のプロ野球選手会労組が設立されたのです。
そして労働組合として認められたのは1985年(昭和60年)11月なのです。
日本プロ野球選手会に入るメリット
日本プロ野球選手会に入るメリットはどんなことがあるのでしょうか?
◆選手会は、プロ野球選手の権利や福利厚生を守るために、球団や日本野球機構と交渉します。
例を出すと「現役ドラフト」。出場機会に恵まれない選手の移籍を活発化させるためにプロ野球選手会と日本野球機構が話し合って2023年にスタートしています。
◆待遇改善のためのストライキをした場合、年棒の補填があります
ストライキした日にち分の年棒が差し引かれても選手が困らないように減額分を補填するために会費を集めてプールしています。
◆契約交渉の支援や教育・研修などの活動を行ったりします。
これにより、選手の労働条件や年俸、保険制度などが改善されたり、選手のキャリアアップや社会進出が支援されたりします。
◆退団金共済制度があります。
一口10万円で最大50口まで加入できます。毎年積み立てて、引退時に利息分も含めて支給されます。これは年棒から天引きされて、知らぬまに貯まっていきます。
◆引退時に日本野球機構からの退職金が支給されます。
正確には退団選手一時金制度と言います。金額は100万円です。
数年で退団となった場合でも退団金共済制度と退団選手一時金制度でしばらくは生活できる場合が多く選手に喜ばれているようです。
◆選手会は、プロ野球界の発展に貢献
プロ野球の未来を考えたり、議論したり、実現に向けて活動したりします。 これにより、プロ野球は少年たちの憧れの場であり続けたり、ファンや社会に喜びや感動を与えたりします。
個人では難しい球団との交渉などしてくれたり、セカンドキャリアのための研修をしてくれたりするんですね。
また、退職金共済やストライキ時の補填など福利厚生もしっかりして選手にとっては助かるのではないでしょうか?
一般の会社にの労働組合に近い組織なんですね。
日本プロ野球選手会に入るデメリット
逆に入ることによってデメリットはあるのでしょうか?
◆会費を払う義務が生じる
選手会の様々な活動のために会費を支払う義務が生じます。
これは退職金共済とはまた別に徴収されます。
会費については公表されていませんが、どの選手も一律ではないかと思われます。
◆選手会に入ると、個人の意見や立場を選手会の方針に合わせる必要があります。
例えば、自分がFA権を行使しなくても、FA制度改善に賛成する必要があるなど、個人と集団のバランスが求められます。
◆選手会に入ると、個人の年俸や契約条件などの情報を開示する必要があります。
労働条件の改善や年俸の引き上げを目指すための必要な一環ですが、他の選手や選手会のメンバーに自分の情報が知られることに不安を感じる場合があります。
選手会に登録すると選手会の意向に沿った形で行動しなくてはならなくなるんですね。
入会は任意のようですが、ほとんどの選手が登録しています。
選手会を辞めたらどうなるの?
選手会をやめるとどうなるかは、選手によって異なると思いますが、一般的には以下のようなことが考えられます。
◆選手会をやめると、選手会の活動に参加したり、方針のに従ったりしなくて良くなります。
これは、選手会に不満を持っていたり、選手会の活動に興味がなかったり、自分の個人情報を守りたかったりする選手にとってはメリットになるかもしれません。
◆選手会が提供する様々なサービスや支援を受けることができなくなります。
選手の権利や福利厚生を守りたかったり、選手のキャリアアップや社会進出を考えていたり、選手同士の交流や協力を求めていたりする選手にとってはデメリットになるかもしれません。
◆選手会に残っている選手や球団や日本野球機構との関係が悪化する可能性もあります。
選手会をやめることで、選手会の活動に協力しないというメッセージを送ることになり、選手会に対する信頼や尊敬を失わせることになるからです。
色々面倒なこともあるけれど選手を守るために選手会があるのですね。大半の選手が入っている選手会をやめるということは他の選手の反感を買いそうですし、かなり勇気がいる行動だと思われます。
今までに選手会を脱会した選手はいる?
有名なのは落合博満選手ですね。最初はプロ野球選手の権利を守るために作られた選手会に入っていましたが、1991年に脱退しています。
当時選手会は、選手が自由に移籍できるようにするFA制度や、選手の環境をよくすることを優先しました。 でも、落合選手は、選手の契約書を変えることが一番大事だと思い反発。 選手の契約書は、球団が作ったもので、選手に不利なことがたくさん書いてり、 落合選手は、選手会が契約書の問題に真剣に取り組まないことに不満を持ち脱退しました。
その後FA制度ができると落合選手はすぐにFA権を行使して中日ドラゴンズにちゃっかりと移籍しました。
現在はアメリカ帰りのベテラン選手はほどんど加入していません。
ロッテだと、佐々木朗希投手の他に、石川歩投手、澤村拓一投手(メジャー帰り)、澤田圭佑投手(育成上がり)が加入していません。
なので選手会を脱会しても選手としてはやっていけないことはないでしょう。
まとめ
強制ではないものの若手はほとんど入っているという選手会。選手会にに入っているメリットとデメリットを紹介しました。
交渉ごとを個人でするのは難しく、時間もかかってしまいます。また選手の立場がどうしても弱くなりがちになってしまい、自分に不利な契約にサインをしてしまったりすることもあるでしょう。
選手会が力添えをしてくれるのはとてもありがたいことですね。
また退職金共済制度があったりストライキによる休業補償があったりするのはう嬉しいですね。
選手は安心してプレーできるのではないでしょうか?
その分決まりごとに従わなければならないので選手会に不満がある選手にはデメリットでしかないかもしれません。
佐々木朗希選手はアメリカでプレーしたいという揺るがない決心があるからできたことでしょう。
ただ、日本にいるとなると今後精神的にプレッシャーがかかりそうに感じますが佐々木選手ほどの実力と強心臓があれば問題ないでしょう。
今後の活躍を期待しています。