自民党総裁に就任した高市早苗氏。
その発信力や政策力に注目が集まる中、「英語力はどのくらい?」「海外での評価は?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
米国議会での勤務経験を持つ高市さんは、英語力を備えていますが、実際には通訳を介して発信する場面もあります。
この記事では、留学経験やスピーチ実績をもとに、高市早苗さんの「英語での国際的な発信力」「外交力」を検証します。
【この記事を読んでわかること】
- 高市早苗さんの英語力と実際の使用場面
- 留学経験と米国議会での活動内容
- 国際会議やG7での英語スピーチの実例
- 通訳を同席させる理由とその背景
- 英語力を認めながらも通訳が必要とされる理由の考察
高市早苗の英語力はどの程度?
高市早苗さんは、政治家として長年活躍する中で英語を使う機会があり、実務レベルでの理解力と発信力を備えています。
ただし、日常会話や議論の流暢さにおいては、ネイティブと同等とは言えません。
ここでは、米国議会での勤務経験や国際舞台でのスピーチを通じて、高市氏の英語力を具体的に見ていきます。
米国議会フェロー時代の活動内容
高市氏は1987年から1989年まで、米国下院の事務所で立法調査や政策リサーチを行う Congressional Fellowとして勤務しました
この職は米国国会議員の研修生(インターン)です。費用は高市氏が所属していた松下政経塾が負担したものです。
ここでは主に以下の業務に従事していました
活動内容 | 英語使用の場面 |
---|---|
政策文書の作成・リサーチ | 英語資料の読解、英語での報告書作成 |
下院議員への政策報告 | 英語での口頭報告・質疑応答 |
議員・スタッフとの日常コミュニケーション | 実務上の英語会話、議会関連の専門用語使用 |
この経験により、英語での「読み・書き・理解力」は十分に養われまたと思われます。
また、米国議会で議員や職員と直接やり取りする環境に身を置いたことが、後の国際舞台での対応力に直結しています。
政治家としての発言例
政治家としての高市氏の英語使用例で最も話題になったのは、総裁選討論会や海外メディアでの発言です。
直近のでは自民党総裁候補の5人が出演した10月1日に行われたABEMA「AbemaPrime」の討論会では、ひろゆき氏の「日本をどんな国にしたいか?」英語で回答を求めるシーンがありました。
林芳正官房長官、茂木敏充前幹事長は英語で回答をしましたが、高市氏は
「Japan is back」(日本は復活する)と短いフレーズで回答。
その後は基本的には日本語で答えました
(引用:yahoo!ニュース)
国際会議でも、通訳を介しつつ自らの考えを英語で補足する場面があり、内容を正確に伝える意識がうかがえます
発音については、YouTubeなどで検証すると「日本語アクセントがあり、何回か聞かないと理解できない」「発音よりも要点を整理して伝える能力は高い」と評価されることが多いです。
高市早苗の英語は通用する?
高市氏の英語力は、ネイティブ並みの流暢さよりも「理解力・発信力・要点整理力」に強みがあると考えられます。
ただし、総裁選討論会のように 突発的な質問に即座に英語で応じる場面では、単一フレーズでの回答にとどまったこともあり、ここに課題が見えます。
他の候補者が英語で自分の考えを述べる中、高市氏が一言だけの英語で答えたことには、視聴者から「不十分」と感じられる印象もありました。
これは、原稿を読む形で準備された回答には強い一方、即興での英語対応には慣れていない可能性を示しています。
あるいは、英語力を試す質問者に対する 抗議的な意味合い が含まれたのかもしれません。
総合すると、高市氏の英語力は 「準備された場面で正確に伝える能力」には優れているが、即応性はやや限定的 という懸念を感じます。これは政治家として珍しいことではなく、通訳を活用する戦略と整合する部分とも言えます。
発音は国際的に通用するもの?
この動画を発信しているユーチューバーKY先輩は有名人の英語のアクセントを分析されています。
KY先輩は高市氏の英語のアクセントのくせを指摘して「数回聞かないと理解できない」「通訳をつけた方がいいでしょう」と語っています。
高市早苗の留学経験は?学歴と職業から見た英語力の土台
高市早苗に「留学経験」はある?
高市早苗氏は、正式な長期留学歴はありません。
けれども1987年~1989年に 米国議会フェロー(Congressional Fellow)としての勤務経験 があり、実質的な海外経験として評価できます。
この経験は、学問的な留学ではなく 実務を通じた英語運用能力の習得 と言えます。
一般的な留学経験と異なるのは、現場で英語を「使う必要がある状況」に身を置いたことです。文書作成や議員への報告など、実務的な英語能力を身につける機会が豊富にありました。
これは単なる学習ではなく、国際舞台での発信力に直結する経験です。
学歴と学びと英語力の土台
神戸大学 経営学部 経営学科 卒業
高市氏は、神戸大学の経営学部経営学科を卒業しています。(高市早苗公式サイト)
神戸大学は、日本の経営学の発祥の地として知られ、経営学部はその中でも看板学部とされています。
偏差値は63.38とされ、上智大学や慶應大学出身者と同等の高学歴と見なされることもあります。 Yahoo!知恵袋
経営学部での学びは、国際的な視野を養う上で重要な基盤となります。特に、国際経済やマネジメント論など、英語での情報収集や議論が求められる分野が多く、英語力の向上に寄与したと考えられます。
松下政経塾 5期生
大学卒業後、高市氏は松下政経塾に5期生として入塾し、政治家としての道を歩み始めました。 松下京政経塾公式サイン
松下政経塾では、政治家としての資質を養うための厳しい教育が行われており、国際的な視野を持つことが求められます。このような環境での経験は、英語を含む国際的なコミュニケーション能力の向上に繋がったと推察されます。
アナウンサーとしての経験が英語力に役立った?
高市氏はアナウンサーとしての経歴もあります。大学を卒業し、松下政経塾で学んだ後アナウンサーになりました。
テレビ朝日(1989年~1992年)
- 担当番組:ニュース番組や情報番組
- 共演者:後の立憲民主党代表・蓮舫氏と共演していた
- 役割:ニュースの読み上げやインタビュー、スタジオ進行など
この時期、高市氏はテレビ朝日でキャスターとして活動しており、報道の現場での経験を積んでいます。その後、フジテレビに移籍し、さらなる経験を積んでいます。
フジテレビ(1992年~1996年)
- 担当番組:朝の情報番組「朝だどうなる」
- 役割:メインキャスターとして番組の進行を担当
フジテレビでは、朝の情報番組のメインキャスターとして、視聴者にわかりやすく情報を伝える役割を果たしていました。この経験は、後の政治家としての発信力やプレゼンテーション能力に大いに活かされています。
アナウンサー時代には、原稿読みや発音・抑揚の訓練を積んでおり、これが 英語スピーチや外交場面での「聞き取りやすい発音」の下地 になっています。
- 原稿を正確に読む能力 → 議会報告やスピーチで活用
- 声の抑揚や発音訓練 → 英語での短い発言時に聞き取りやすくなる
このように、学歴と職業経験の両方が英語力を支える背景になっています。
高市早苗の海外スピーチ・国際会議での英語スピーチ
1. IAEA年次総会(2023年)
国際原子力機関(IAEA)の年次総会において、高市氏は日本の立場を英語で表明しました。
その際、事前に準備した内容に加え、突発的な中国側の反論に対して即座に英語で応答し、堂々としたスピーチを展開しました。この対応は、彼女の即応力と説得力を示すものとして評価されています。 note(ノート)
2. 第6回宇宙の持続可能性サミット(2024年)
KY先輩が評価した動画がこの時のスピーチ動画です。
3. AIWS世界リーダー賞受賞スピーチ(2025年)
AIWS世界リーダー賞を受賞した際、高市氏は準備された英文を明瞭に読み上げました。
発音には日本人特有のアクセントが残るものの、文法や構成は正確で、聴衆にわかりやすく伝えることを重視したスピーチスタイルが印象的でした。 アール
これらの事例から、高市早苗氏は国際舞台での英語スピーチにおいて、即応性と説得力を兼ね備えた実務型の英語力を発揮していることがわかります。
高市早苗氏は、自民党の要職や外務に関わる活動の中で、国際会議やフォーラムで英語を使う場面があります。
特に、環境問題や安全保障、中国との外交交渉など、国際社会で日本の立場を正確に伝える必要がある場面での発言が確認されています。
国際会議での発言例
環境問題や安全保障に関する国際フォーラムでは、高市氏が日本の政策や目標を英語で説明した例があります。
発言内容は準備されたスピーチが中心で、原稿に基づいた正確な表現が特徴です。
また、2024年の国際原子力機関(IAEA)年次総会では、中国からの突発的な反論に即座に英語で切り返した事例があり、外交の現場で求められる「瞬発力と説得力」を示しました (note.com)。
一方で、即興の質疑応答や討論では日本語を使うことが多く、必要に応じて通訳を介する場面も見られます。これは、英語力の有無ではなく、正確な情報伝達を優先した戦略的判断と考えられます。
即興的な英語使用の傾向
高市氏は国際会議やフォーラムで、原稿に基づくスピーチだけでなく、突発的な質問や意見交換の場で英語を使うこともあります。
その場合、発音や表現に不自然さが出ることもありますが、必要な内容を正確に伝える力は十分にあり、外交上の意思疎通には問題がないと評価できます。
また、即興対応では日本語と通訳を併用する場面も多く、正確さを優先した合理的な言語戦略であることがうかがえます (diamond.jp)。
英語が話せるイメージの総裁候補は、「高市早苗」がトップ
高市早苗氏の英語力は、政治家としての公的な場面だけでなく、一般の国民からの印象も注目されています。特に、自民党総裁選や国際的な議論に関わる中で、英語力があると認識されている政治家として挙げられることがあります。
一般認知とイメージ
世論調査やアンケートでは、高市氏は「英語が話せるイメージがある政治家」として一定の認知度があります。
英語コーチングスクール「TORAIZ(トライズ)」を展開するトライズ株式会社の行った全国の18 歳~59歳までの学生やビジネスパーソンなど1008名を対象に、2025年の総裁選候補者に対する英語力のイメージについて調査をしました。
英語が話せるイメージが最も強いのは「高市 早苗氏」 13.2%
トランプ米大統領と交渉等できそうなのは「高市早苗氏」20.3%
引用:dream news
あくまでイメージですが、トランプ大統領と「交渉力」を含めると高市氏の英語力を認める数字が上がっていることが興味深いですね。
英語力が支持に与える影響
一般の人々にとって、英語力は外交・総理としての能力の指標の一つと見なされます。
自民党総裁選で候補者に英語力が大事かどうかどうかとういう質問では
「とてもそう思う」と回答した方が32.8%、「ややそう思う」34.0%で約70%近い人が大事と回答
英語が話せる政治家は「頼もしい」と思うかでは
「とてもそう思う」が28.5%、「ややそう思う」が35.7%と6割以上が回答しています。
一般の人たちが英語ができるかどうかを政治家の能力では必須だと思っている人が多いことがわかります。
高市氏の英語力に対する評価は「頼もしい・信頼できる」と受け止められる場合があり、政策実行や国際舞台での交渉力に対する安心感につながると考えられます。
総理に英語力は必要か?高市早苗の今後の課題
総理にとって、完璧な英語力は必ずしも必要ではありません。国際会議やスピーチでは、通訳を活用すれば正確に意思を伝えることが可能です。そのため、高市氏のように基礎的な英語力があり、必要に応じて戦略的に日本語と通訳を使い分けられる能力があれば十分対応できます。
しかし、晩餐会や非公式の場で各国の首脳と軽い会話をする場面では、日常会話レベルの英語力があるとスムーズです。相手との雑談や雑感のやり取りを通じて、関係性を築いたり信頼感を高めたりすることができるからです。
高市氏の強み
高市氏は、米国でのCongressional Fellow経験や国際フォーラムでのスピーチ、アナウンサーとしての経験を通じて、必要な場面で意思を伝える英語力を持っています。公式な場では通訳を活用し、非公式な場では日常会話を交えることで、総理としての国際対応に十分対応できるでしょう。
今後の課題
総理としてさらに活躍するためには、以下が課題として挙げられます。
- 晩餐会や非公式の場で使える、日常会話レベルの英語力の強化
- 発音や表現の精度を少しずつ向上させ、外国の首脳やメディアへの印象を高める
- 英語でのスピーチ経験を増やし、公式・非公式の両方でのコミュニケーション力を補強
総理に必要なのは、完璧な流暢さよりも正確に意思を伝えられる能力と、日常会話での最低限の英語力です。高市氏はこの両方を備えており、通訳を活用すれば国際舞台でも問題なく対応できると考えられます。
高市早苗の外交に通訳の必要性は?
1. 専門用語は「魔法の言葉」✨
政治や経済、安全保障の世界で使われる専門用語は、ただ難しい言葉ではありません。それは、**その分野のプロ同士が瞬時にお互いの意図を理解するための「魔法の言葉」**のようなものです。
たとえば、経済分野で**「Fiscal Consolidation」**という言葉が出てきたとします。
- 直訳すると: 「財政の統合」や「財政の引き締め」
- プロの認識: 「増税や歳出削減によって国の借金を減らすこと」という、具体的な行動とその目標までを含んだ非常に重い意味を持っています。
もし、総理大臣が外国の首脳に対し、この言葉を即興で翻訳して「お金をまとめます」程度に伝えてしまうと、相手は「具体的にどうするの?」と戸惑うか、あるいは**「日本は借金返済に本気ではないのか?」**と誤解するかもしれません。
2. 「ニュアンスのズレ」が外交を失敗させる
外交の場では、単に言葉が通じるだけでなく、正確なニュアンスと公式な定義を伝えることが命取りになります。
特に、安全保障分野の**「Collective Self-Defense(集団的自衛権)」**のような言葉は、国のあり方に関わるため、定義が1ミリでもズレると、相手国との信頼関係や同盟関係に大きなひびが入るリスクがあります。
専門の通訳は、以下のプロの仕事を行います。
- 定義の統一: 各国の外務省や国際機関が定めている**「公式の定義」**通りに訳します。
- リスクの回避: 誤解を招きやすい曖昧な表現を避け、「後で言った・言わない」の論争が起きないように正確な言葉を選びます。
つまり、通訳は単に言葉を置き換えているのではなく、**外交上のリスクを管理し、国の公式な立場を正確に記録に残すための「防波堤」の役割を果たしているのです。英語力がある政治家でも、この「正確性とリスク管理」**のために、プロの通訳を必須としているわけです。
高市氏は今後も信頼の高い通訳と行動を共にすることになるでしょう。
まとめ:高市早苗の英語力と国際対応力
この記事でわかった高市早苗氏の英語力のポイントは以下です。
- 米国Congressional Fellow経験やアナウンサー経験により、英語で意思を伝える基礎力がある
- 国際フォーラムや会議では、準備されたスピーチは英語で対応可能
- 即興質問や討論では、日本語+通訳を使う戦略的対応
- 一般の国民からは「英語が話せるイメージ」があり、外交力や信頼感につながる
- 総理として必要なのは完璧な流暢さではなく、日常会話レベルの英語と通訳の活用
高市氏は、必要な場面で英語を使い分けられる能力があり、通訳を活用すれば国際舞台でも十分に対応可能です。