2025年夏の静岡大会を制し、甲子園出場を決めた聖隷クリストファー高校。
その快進撃を支えたのが、2年生エース・高部陸投手です。
埼玉から静岡にやって来たこの左腕は、見事な投球で地元の期待に応え、全国のスカウトからも注目を集める存在となりました。
この記事では、高部陸投手のプロフィールや中学時代の活躍、聖隷クリストファーでの戦績、プロからの評価や将来の課題まで詳しくご紹介します。
この記事を読んでわかること
- 高部陸投手の基本プロフィールや出身中学
- 武蔵嵐山ボーイズでの中学時代の実績
- 聖隷クリストファーでの高校野球経歴と主な戦績
- プロスカウトからの評価やドラフト候補としての将来性
- 現時点での課題や今後の注目ポイント
高校野球ファンの皆さんにとって、これからの活躍がますます楽しみになる内容です。
高部陸(聖隷クリストファー)のプロフィール
#春季高校野球 #静岡県大会 は26日、3回戦を行い、昨夏準優勝の #聖隷クリストファー はエース左腕 #高部陸 投手が #島田樟誠 を相手に3安打11奪三振、96球で完封勝利。聖隷の1番 #小林桜大 選手が3安打でけん引しました。#マダックス pic.twitter.com/tNruw1OHdf
— しずおか×スポーツ (@sports_shizuoka) April 26, 2025
まずは、注目の高校2年生左腕・高部陸投手の基本的なプロフィールをご紹介します。現在、聖隷クリストファー高校のエースとして活躍中で、2026年ドラフト候補としても注目されています。
高部陸の身長・体重・投打など基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
氏名 | 高部 陸(たかべ りく) |
生年月日 | 2008年度生まれ |
学年 | 高校2年生(2025年時点) |
所属 | 聖隷クリストファー高等学校(静岡県) |
身長 | 174cm |
体重 | 68kg(成長中) |
ポジション | 投手 |
投打 | 左投左打 |
背番号 | 1(エースナンバー) |
身長は174cmとやや細身ながら、しなやかなフォームと球のキレが持ち味。
身体づくりの途中であり、今後の成長にも大きな期待が寄せられています。
高部陸の出身地と中学はどこ?
高部陸投手は 埼玉県深谷市の出身で、中学は 深谷市立南中学校に在籍していました(〖静岡 夏の高校野球 2025〗静岡朝日テレビ)。
中学時代には野球部ではなく、クラブチーム「武蔵嵐山ボーイズ」に所属し、中学2年春には全国大会で優勝経験を持つなど、全国区での活躍が目立っていました(ドラフトレポート)。
高部陸が野球を始めたきっかけは?
高部投手が野球を始めたのは、小学1年生のとき。
最初は軟式野球からスタートし、地元の少年野球チームでプレーしていました。
周囲の友人や家族の影響で自然と野球に親しんでいったとされており、地元の試合ではすでに左腕から投げる速球で注目を集めていたという証言もあります。
「小さい頃からキャッチボールが好きで、家の庭や公園でもずっとボールを投げていた」と語る関係者もいて、早くから投手としての素質を感じさせていました。
武蔵嵐山ボーイズとは?|高部陸投手の中学時代の所属チームと成長
高田陸投手は中学では軟式ではなく硬式野球を選択し、「より本格的に野球に取り組みたい」という本人の希望もあって武蔵嵐山ボーイズに進みました。
強豪チームでの挑戦は、彼の成長の大きな転機となりました。
武蔵嵐山ボーイズ(旧・武蔵狭山ボーイズ)は、埼玉県嵐山町・飯能市・日高市・毛呂山町を中心に活動する中学生硬式野球チームです。
「勝利主義や技術向上だけに偏らない、少年野球の振興と充実」を目指す真のボランティア組織として運営されており、礼節・スポーツマンシップを重視した育成方針が特徴です。
中学時代での活躍実績とポジション
深谷市立南中学校在学中、高部陸投手はクラブチーム・武蔵嵐山ボーイズ所属でエースナンバーを背負い、中学2年春には全国大会(ボーイズ春季全国大会)で優勝を達成しました。
大会では主戦投手として圧巻の投球を見せ、全国優勝に大きく貢献しています。
また、一球速報のチームデータにも掲載されているように、髙部選手は武蔵嵐山ボーイズにおいて背番号1を背負う中心選手の一人。
ポジションは投手で、決勝戦を含む主要な試合で先発登板するなど、チームを牽引する存在でした。
そこでエースとして活躍した高部陸投手の中学時代は、現在の投手スタイルやメンタルの原点ともいえる期間でした。
高部陸の聖隷クリストファーでの戦績は?
高部陸投手は聖隷クリストファーの上村敏正監督の熱心な勧誘で高校進学を決めています。
1年秋からエースとして活躍
聖隷クリストファー入学後、高部陸投手は1年生の秋からエースの座をつかみました。
秋季県大会では、県大会3位に貢献し、全7試合中5完投/1完封を記録。
計61回を投げ、防御率0.89、奪三振41、失点10と安定した投球を披露し、東海大会でもベスト8進出を果たしています。
また、同大会3回戦・常葉大橘戦では9回1失点完投勝利を収めるなど、早くもエースとしての役割を果たしました。
2025年夏の静岡大会の成績
2年生春季の静岡大会では、高部投手は島田樟誠戦で95球3安打11奪三振無失点の完封勝利を記録し、“マダックス”を達成。
前試合に続く完投勝利で、ストレート主体の攻めを徹底し11奪三振のうち8が空振りと球威の高さを証明しました。
準決勝・藤枝明誠戦では6回から登板し、六・七回に6者連続三振の圧巻投球を見せたほか、最終的に無四球完封投球で決勝進出に貢献しました 。
2025年夏の静岡大会の成績(聖隷クリストファー)
聖隷クリストファーは第107回全国高校野球選手権静岡大会で初優勝を果たしました。
一回戦から決勝までの試合結果は以下の通りです(静岡朝日テレビのスコア速報より)
- 一回戦(7/12) 聖隷 8−1 湖西(7回コールド)
- 二回戦(7/19) 聖隷 8−0 韮山(7回コールド)
- 三回戦(7/22) 聖隷 8−0 市立沼(7回コールド)
- 準々決勝(7/24) 聖隷 3−1 御殿場西
- 準決勝(7/26) 聖隷 4−0 藤枝明誠
- 決勝(7/28) 聖隷 3−1 静岡
高部陸投手(聖隷クリストファー) これまでの野球経歴年表
年度 | 所属 | 主な成績・大会名 | 概要 |
---|---|---|---|
2022(中学2年) | 武蔵嵐山ボーイズ | ボーイズ春季全国大会 優勝 | エースとして全国優勝を達成 (アマチュア野球, スポーツ報知) |
2022(中学2年) | 武蔵嵐山ボーイズ | 選手権大会 ベスト4 | 全国大会で活躍 (九歴) |
2023(中学3年) | 武蔵嵐山ボーイズ | 春季全国大会・選手権大会・ジャイアンツカップ 出場 | 全国大会出場経験多数 (九歴) |
2024年春(高1) | 聖隷クリストファー(秋季) | 東海大会 8強、春季静岡県大会など | 全7試合完投、防御率0.89、奪三振41 (ドラフト・レポート) |
2025年春(高2) | 聖隷クリストファー(静岡県大会) | 春季静岡県大会 | 3試合合計21回、奪三振23、防御率約1.29 (アマチュア野球) |
2025年夏(高2) | 聖隷クリストファー(全国高校野球選手権静岡大会) | 大会優勝(初優勝) | 登板数未明ながら、21回で25奪三振・失点2など圧巻の内容 (高校野球ドットコム, ドラフト・レポート) |
高部陸の投球フォームや特徴的なスタイル
高部投手の投球フォームは、両腕を大きく振りかぶり、右足を高く上げるダイナミックなモーションが印象的です。
左腕のテイクバックはコンパクトにまとまり、右足を深く踏み込むことでバランスよくリリースします。捕手によれば、彼の直球は“縦にホップするような特性”を持ち、バットを空振りさせる迫力があると評されます。
最速は147キロに到達し、制球力の良さと相まって内外角への投げ分けも巧みです。
変化球ではスライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップを多彩に操り、空振り三振と打たせて取るゴロアウトをバランス良く奪っています。
他にも、冬場の体作りで体重が約6kg増加したことでパワーアップが進み、球速とスタミナを兼ね備えたタフネスな投手姿へと成長しています。
スカウトが注目する「2026年世代を代表する左腕」
高校野球ドットコムでは、高部陸投手を「静岡に現れた2026年世代を代表する本格派左腕」と紹介しています。常時140km前後のストレートに加え、高精度のカットボールを武器に、打者を翻弄する投球スタイルが特徴です。
さらに、「コントロールも良く、スカウト受けする柔らかさもある」と評価されており、完成度の高さが際立っています。今後の成長次第では「ドラフト1位候補に育つ可能性も十分にある」との見解もあり、全国のスカウトたちから注目される存在となっています。
高部陸投手(聖隷クリストファー)の今後の課題については、以下のような点が専門メディアやスカウト視点から指摘されています:
高部陸の今後の課題
① 体格面のスケールアップ
現在の身長は約174cm、体重68kg(2025年夏時点)とやや細身。
プロの世界では180cm超・80kg以上の体格が一般的な基準とされるため、「もうひと回り身体を大きくする」ことが求められます。これにより、球速の向上・スタミナの強化・故障リスクの軽減など、多くの面でプラスに働きます。
昨年の秋から身長は1センチ、体重は5キロ増えているのでまだまだ体は大きくなる可能性があります。
② スタミナと球数管理
2024年秋季大会では5試合連続完投を記録するなどタフな登板を見せましたが、連戦での疲労や後半の球威低下が懸念材料とされています。
将来的に先発ローテーションを担うには、効率的な投球術や投球配分も必要です。
③ 変化球の精度とキレの強化
現在、ストレートに加え、カットボール・スライダー・カーブ・チェンジアップなどを投げ分けています。
特にカットボールは「打たせて取る」上で有効とされますが、プロレベルでは変化球1つひとつの完成度が要求されるため、よりキレ・制球・球速差のある変化球が求められます。
④ 全国レベルでの実績作り
県大会では好成績を残しているものの、甲子園などの全国舞台での登板経験がまだありません(2025年夏時点)。
「大舞台でどれだけ通用するか」はスカウトにとって重要な指標のため、今後の全国大会出場とそこでのパフォーマンスが、評価を一段階引き上げる鍵になります。