
この古代エジプト展は昨年4月から全国8箇所で公開予定でしたが、4月に開催予定だった福岡、7月から開催予定だった北海道は残念ながら中止となっています。無事静岡で開催されてよかったです。
静岡駅徒歩3分で行ける静岡市美術館で開催されている古代エジプト展の最終日は3月31日。残すところあと1ヶ月となりました。
数々の美しい木棺は最大の見所です。埋葬されたミイラのCTスキャンなど、興味深い展示が250点ほど。最終日近辺は混雑が予想されますのでまだ日程に余裕がある今のうちにゆっくり見学される事をおすすめします。
静岡市美術館での古代エジプト展の展示内容、予約、グッズについてまとめました。
エジプト展の概要
今回の古代エジプト展はライデン国立古代博物館からの出展です。その歴史は古く1818年オランダの初代国王により設立されました。その貯蔵品は質・量ともに優れ、大英博物館、ルーヴル美術館、ベルリン・エジプト博物館、トリノ・エジプト博物館と合わせて5大エジプト・コレクションに数えられています。その25000点もの中から人や動物のミイラや棺、石碑、貴重なパピルスなど約250点を厳選されました。3000年にわたり繁栄した古代エジプトの世界を間近に観ることができます。
見所はミイラのCTスキャン?
テレビではミイラのCTスキャンを押していました。行ってみて自分的なイチオシは別の展示でした。(あくまでも個人の感想です。)

簡単に展示物の紹介をしますね。
第1章 エジプトを探検する
まず目に入ってくるのは「ロゼッタストーン(レプリカ)」。
ロゼッタ・ストーンは、ナポレオンがロゼッタ(地名)で見つけた古代エジプトのヒエログリフ、デモフィック、ギリシャ文字が一つの石に刻まれています。これがヒエログリフを理解する鍵となって、他のエジプト語の文章がつぎつぎに翻訳されるようになりました。これが見つからなかったらヒエログリフはいまだに解明できていないと思います。重要な発見だったのですね。
その後、「ツタンカーメン王の倚像」「アメンへテブ・フィのピラミディオン」と続きます。
そしてライデン国立古代博物館が現在行っているサッカラ遺跡での発掘調査の様子を、出土品や調査の記録、映像などが展示されています。
第2章 エジプトを発見する
3000年の長きにわたった古代エジプト文明には少なくとも30の王朝(出身や家系などで分けられた王のグループ)が存在したことが知られています。それらを大きく初期王朝時代、古王国時代、第1中間期、中王国時代、第2中間期、新王国時代、第3中間期、後期王朝時代、グレコ・ローマン時代という9つの時代に区分しています。
その各時代の石碑や遺物の展示を順を追って観ながら、様式の変化、技術の発展を感じることができます。グレコ・ローマン時代になると石像もギリシャの影響を受けていることがわかります。
その後に古代エジプトの宗教についての展示です。
古代エジプトは多神教であることが知られていますね。長き時代の信仰の移り変わりなどを神官の像やトト神の像、死者の書などで知ることができます。数千年前のパピルスがしっかり残っている事にも驚きです。
動物の神様の展示もあります。猫、イクニューモン(マングース)ハリネズミ、サソリなど。色々な動物の像が展示されていますが、現代の姿とほぼ変わっていません。
第3章 エジプトを解読する
墓からは出土した多くの副葬品、豪華なミイラ棺、「死者の書」と呼ばれる葬祭文書に記された象形文字、呪術的な意味を込めて作られた宝飾品や身代わりの人形「シャブティ」などの展示です。
特に圧巻だったのはミイラを入れていた内棺、外棺の立体展示。寝かせておいてあるものより断然に見やすいし、棺に描かれた模様や、中に書かれた文字も近くで観れます。
その美しさに感激!細かい文字や絵が背面にまでびっしりと描かれています。これが5000年以上前に描かれたものだと思うと感慨深いです。是非見て欲しい。C.K的にはイチオシの展示物です。
第4章 エジプトをスキャンする
ミイラとミイラのCTスキャンの展示です。最新技術により解明された成果を世界初公開しています。
人だけでなく猫のミイラとワニ、はやぶさのミイラもあります。包帯でぐるぐる巻きですがちゃんと形はわかります。
ミイラ自体は包帯ぐるぐる巻きで地味な展示となりますがCTスキャンの結果わかった事については興味深かったです。内容はネタバレになるので実際に足を運んで見てくださいね(笑)
オススメ!音声ガイド!
今まで音声ガイドを利用したことはなかったのですが、今回初めて利用してみました。(600円)展示物すべてにガイドがあるわけではないですが、いつもさら〜っと流し見をしてしまう展示物をじっくりと観ることができました。途中クイズがあったりしてお子さんでも楽しめると思います。
予約をしてから行くのがおすすめです
新型コロナウイルス感染拡大防止対策として密接を防ぐために現在は入場者数の上限を設定しています。また入り口にはサーモカメラが設置されています。
webでの予約が便利です。予約はこちら
こちらを見ると30分単位で予約状況がわかるのでスケジュールが立てやすいです。
予約をしなくても当日直接行っても入場できます。ただし混雑している場合は待つ事になりますし、土日、祝日は入場を断られる場合がありますので予約をして行ってくださいね。
自分たちは平日予約状況を確認した上で予約せず来館しましたがすんなりと入れました。午前中と午後1時から2時ぐらいまでが混雑する時間帯のようです。街中でランチしてから2時ごろに到着しましたがやはり人は多めでした。土日、祝日、3月31日近くになればなるほど混雑が予想されます。夕方が空いていますので狙い目かもしれません。
グッズ
以前県立美術館のエジプト展(平成13年)に行った時にはスカラぺのペンダントのレプリカとかピラミッドの模型などのグッズだったと思うのですが時代が変わったのでしょうか。
リラックマ、すみっこぐらし、べアフリックスとのコラボのグッズが。エコバッグやキーホルダー、ハンコとか可愛いものが主流ですが昔からの絵葉書もありました。


展示をじっくり観て疲れたのでお茶でも飲んでゆっくりしたいと思ったのですが、併設のカフェは残念ながら3月31日まで休業でした。
今年は県立美術館でもエジプト展が開催される予定です。
国立ベルリン・エジプト博物館所蔵 古代エジプト展 天地創造の神話
2021年7月10日(土)~9月5日(日) 静岡県立美術館

国立ベルリン・エジプト博物館所蔵から約150点の展示です。立て続けのエジプト展、楽しみですね。
料金、時間、アクセスなど
料 金 | 一 般 1500円 大高生・70歳以上 1000円 中学生以下 無料 |
開催期間 | 2020年12月19日(土)〜2021年3月31日(水) |
開館時間 | 10:00〜19:00(展示室への入場は閉館の30分前まで) |
住 所 | 〒420-0852 静岡県静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3階 |
公式HP | https://shizubi.jp/ |
定休日 | 毎週月曜日3月29日(月)は開館) |
駐車場 | 専用駐車場なし 周辺駐車場を利用 割引のある駐車場 駅北パーキング 1時間以上で30分サービス券 サウスポット伊伝パーキング 1時間以上ご利用で、100円サービス券発行 中西ガレージ 1時間以上ご利用で、100円サービス券発行 |
アクセス | JR静岡駅北口より地下道を利用して徒歩3分 静岡鉄道新静岡駅より徒歩5分 |
感想、まとめ
静岡駅から徒歩3分、周りに飲食店、カフェ、デパートがあって便利でおしゃれな美術館です。 近隣に駐車場もたくさんあるので困ることは無いでしょう。展示は3月31日まで。平日、夕方がおすすめです。土日祝に行く場合は必ずwebで予約をしてから来館しましょう。
250点の展示はなかなかのボリュームです。じっくり観た自分はかなり疲れました。エジプト時代の死生感、神様と王との関係、宗教と政治、ミイラへの希望…。3000年の歴史の旅をゆっくりと味わってみてはいかがでしょうか。
中学生以下は無料ですのでお子様と一緒にお出かけするのもいいかもしれません。